話題のベルト式 3Dプリンター色々と特性や使いこなしの検証をしてきました。
一通りコツがわかってきたので、
皆さんにこのプリンターの特徴や使いこなし術を
プロのエンジニア歴10年の自分が、お教えしちゃいます!
是非使いこなしていい作品を作ってみてくださいね!
動画で確認したい方はコチラ↓↓
話題の ベルトコンベア式 3Dプリンター CR-30 の実力 + 使いこなしのコツ 7選 // Creality
家庭用の3Dプリンターってちょっと小さいサイズの造形しかできない
じゃないですか。
自分が今まで使ってたAdventurer3だと150mm×150mm×150mm
がMAXサイズです。
Ender3 Proだと220mm×220mm×250mmです。
設計依頼が来ても、造形サイズの関係で自宅で造形できずに
外注しなくてはいけなかったり、結構苦労しますよね。
ロングレンジがいける3Dプリンターってことで、
ベルトコンベア式のCR-30がずっと気になってました。
長手方向に無限!!
200mm×170mm×∞
もくじ
マスターソードも刷れちゃう!
ゼルダの伝説でおなじみの
マスターソードを造形してみました!
かっこいい!
こういう剣とかって3Dプリンターで刷れないと思ってた(笑)
裏表で2分割にして、塗装するだけで、こんなにきれいに
できました!!
コスプレとかする方にはこれ必須かも?!
マスターソードの材料
- eSUN eSilk シルクシルバーフィラメント
- PolyLite PLA 1kg巻 レッド
- コニシ ボンド エポクリヤー 15gセット #14923
- タミヤ スプレー No.55 TS-55 ダークブルー 85055
- タミヤカラー アクリル塗料ミニ X5 グリーン (つやあり GLOSS)
- GSIクレオス ガンダムマーカー 塗装用 ゴールド GM04
マスターソードのモデル
ロンギヌスの槍なんかも作っちゃってます(笑)
CR-30の特徴
なんといっても長手方向ワークサイズ無限!
200mm×170mm×∞
∞を実現するために一番最適な設計になってます。
そのため、普通のプリンターとは構造も造形特性も異なります!
普通のプリンターにできないことをしているので、
苦手な部分もあります。
その辺を理解した上で、上手く使っていきましょう!
構造的な特徴
ベッドの部分はベルトになってて材料は布です。
造形物が流れていくようにベッドが動きます。
理論的にはワークサイズ∞です。
幅のワークサイズが200mmで高さが170mmです。
ヘッドが斜め45°にレールに沿って動きます!
ベッドに対してヘッドの押し出し方向が45°なんです!
結構、これが他のプリンターとの違いであり、
造形の制約になってきます。
お気づきの方も多いと思いますが、
画像のような小物の量産造形もできちゃいます!
造形したら、ベッドが手前に動いて勝手にモデルがはがれてくれます。
エクストルーダーとヘッドが離れていることも特徴です。
構造としてはボーデン式っていって、ダイレクト式ではないです。
なので、硬い材料とか、TPUみたいなやわらかい材料は
あまり得意じゃないかな。
ヘッドの温度も240℃まで、ベッドが100℃まで。
ベッドの送り方向奥側にだけヒーターがついてて、
造形部を熱してくれます。
長手∞だけあって、フィラメントを大量に使う想定なので、
ちゃんとフィラメント切れ検知センサーもついてます!
フィラメントはEnderシリーズおなじみのスプールホルダーに
ひっかけて送ります。(ただの軸です!)
自分は乾燥機兼フィラメントホルダーを使っちゃってるので
デフォルトの軸は使ってません。
Wi-Fi機能はついてません!
SDカード経由でデータを送って操作パネルで選択して造形!
って感じです。
スライサー
コンベア式にカスタムされたCuraっていうものが
付属のSDカードに入ってるので、
それを使います。
造形方向の得意/不得意
コンベアが流れていくので、
ベッドに対して45°の方向に造形物は積み上げられていきます。
イラストの白抜きがノズルから排出されたあつあつの樹脂で、
赤塗がすでにプリントされたモデルを表してます。
送り方向にオーバーハングしていてななめに積み上げる場合
イラストのような感じになってしまって、
ベッドとの定着面はすごく小さくなってしまいます。
しかも、かなり不安定で重力に負けて垂れてしまいます。
なので、送り方向のオーバーハングは苦手!
設計段階や、スライサー段階でなるべく避けましょう。
一方で、コンベアの送り方向と逆のオーバーハングは
重力には逆らってますが、
一度造形した樹脂に斜め45°に溶けた樹脂を押し付けながら
積層していくので、得意です!
実際の造形物を見ていきましょう。
モデルはコチラ↓↓
*MINI* All In One 3D printer test
送り方向に向かって横向きのオーバーハングは
普通のXYZ方向のプリンターよりもきれいにできてます!
斜めに押し付ける造形方法が効いてる感じですね!
ブリッジのところもすごいきれい!
コンベアの送り方向と逆向きのオーバーハングは
糸引きはあるもののきれいにできてます!
ブリッジがやっぱり苦手そうですね、、
オーバーハングの説明で分かる通りの特性ですね。
最後がコンベアの送り方向のオーバーハング形状です。
見てわかる通りですね。
垂直を超えるオーバーハングは不可です。
垂れまくっちゃってますね。
ブリッジに関しては、ベルトの幅方向のみきれいにできてます。
モデルの置き方ひとつで
プリントクオリティが大きく変わるのでしっかり覚えていきましょう。
プリント精度
造形物の寸法精度と文字とかの解像感をみてみましょう。
左がCR-30で、右がAdventurer3です。
やっぱりAdventurer3の方が全体的にきれいですね。。
まあ、でかい!長い!もの作るぞーって3Dプリンターなんで、
細かい形状は気にするな!って感じですね!
寸法の方は
ベルト送り方向が、30mm→30.24mm
ベルト幅方向が、30mm→30.25mmってことで、
なかなかのできですね。
ブリッジは大きめにできてる感じですね。
円筒が、10mm→9.87mmなので、
小さめにできてますが、高精度と言っていいと思います。
大きめにとって±1.0mmくらい見ておけばOKですね。
モデルはコチラ↓↓
平物の平面度は正直でません。
対角を押すとカタカタいいます。
長物、大物の部品と精度が必要な部品に分けて、
それぞれのプリンターの得意なところを使ってあげましょう。
サポート&ラフト特性
有名な船のモデルを使って、サポートやラフトの特性を確認しましょう。
左は、普段のプリンターと同様の垂直方向に造形してみました。
サポート&ラフトもつけました。
右は、ヘッドに垂直/ベッドに向かって45°方向に造形してみました。
こちらも同様にサポート&ラフトつきです。
モデルはコチラ↓↓
垂直方向の造形は、きれいにできてます。
ラフトもパリッと取れますし、
サポートも簡単にはがせました。
サポートとモデルの間にシェルのようなものがある感じです。
ベルトの進行側はちょっとオーバーハング的な形状なので、
つるっとした面は得られないですが、
サポートをつければ造形可能ですね。
45°に傾けた方も、
ラフト&サポートはパリッと剥がれました。
左側が45°傾けた方、右側が垂直の方です。
垂直造形の方が、平面の精度が良くてきれいにできてます。
ちなみにラフトのON/OFFはCrealitybeltってところの
オプションの中に隠れてるので、
気を付けてみてください。
ベルトとモデルとか、ベルトとラフトの定着性はすごくいいんですが、
ベルトとサポートの定着性があまりよくないので、
サポートを付けるときは必ずラフトを付けてください。
プレビューを活用して、
オーバーハングが不得意な方向になってないか
チェックしてください!
長物・大物ほど最後の方で失敗すると
フィラメントを多く無駄にしてしまうので、注意です!
細長いもので、ロンギヌスの槍を作ったのですが、
造形するために、サポートやラフトを工夫して、
ベルトとの定着性をかなり高めてあげないと
なかなか難しいという印象でした。
ベルトには平面でべたっとくっつくようなモデルが得意なので、
そういうモデルになるように工夫も必要です。
結局、モデルから2mmのところまで台座を作ってそこから
サポートが生えるようにしました。
それでもノズルがモデルに引っかかって、
モデルが剥がれることで何度も造形失敗しました(笑)
細長いものは、最初の方は見守って適宜、
テープなどで補強して、造形してみましょう。
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